22人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
私は再び目を開いた。
「気分はどうだ」
「……混乱してる」
そう言うしかなかった。
これまで悲劇の終幕しか知らなかったのに、そこに至る物語を何百と見せられた。
全てが根底から覆され、もう彼らを思い出すと眩しい。
彼らは可哀想なだけの戦士ではなかった。相手がどれだけ強くても覚悟を決めて、自らの意思で戦った。
――これじゃ、まるで。
「全ての死にあんたが責任を負うことはないって、わかった?」
「……」
「知らないほうがよかった?」
私は首を振る。
「だけど私の愚かな言葉は、罪は……消えない」
グレイはいつかのように、私を抱きかかえた。
「見せたいものがある」
最初のコメントを投稿しよう!