運命の日

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 私は再び目を開いた。 「気分はどうだ」 「……混乱してる」  そう言うしかなかった。  これまで悲劇の終幕しか知らなかったのに、そこに至る物語を何百と見せられた。  全てが根底から(くつがえ)され、もう彼らを思い出すと(まぶ)しい。  彼らは可哀想なだけの戦士ではなかった。相手がどれだけ強くても覚悟を決めて、自らの意思で戦った。 ――これじゃ、まるで。 「全ての死にあんたが責任を負うことはないって、わかった?」 「……」 「知らないほうがよかった?」  私は首を振る。 「だけど私の愚かな言葉は、罪は……消えない」  グレイはいつかのように、私を抱きかかえた。 「見せたいものがある」
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