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それから
「そして彼は仲間を逃がし、勇敢に剣を振るって諦めず戦いました。
――とても立派な最期でしたよ」
向かいに座る金髪の女性――ソフィアは顔を押さえて部屋から出て行った。
やがて戻ってきた彼女の目は腫れていた。
「ありがとう。
そして、ごめんなさい。
城で私はあなたにひどい扱いをした。
あなただって辛かっただろうに、兄の話をしてくれて感謝する。どう御礼をしたらいいか……」
金貨を差し出すソフィアを私は止める。
「よかったら、あなたの兄がどんな人だったか、私に教えてもらえませんか」
ソフィアはつかの間きょとんとし、微笑んだ。それから両親を呼びに行った。
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