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これは現実?
瓶の外に出るなんて。
身体がぐらり、と傾く。
「おっと」
男は私を支え、「歩くのは久しぶりか」と抱えてくれた。
見上げると、杖の宝玉と同じ青緑の瞳が煌めく。
「あんた名前は?」
首を振った。思い出せない。
彼は私を抱えて階段を上り切った。
「俺はグレイ。よろしくな」
返事をしようとしたが、地響きがした。
次いで歓声がどっ、と耳に飛び込んでくる。
「終わったみたいだな」
グレイがつぶやいた。
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