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彼の故郷
数日後。荷馬車は街に到着した。彼は私を抱えて1軒の館に入る。
「いらっしゃい!
ああ、グレイじゃないか!」
体格のいい女性から声がかかる。
私は客達に注目されながら、一方で彼らの姿に驚いていた。
全員が怪我人だった。義足だったり、車輪付きの椅子に乗っていたり。
この人達は、一体。
「おかえり、先生!」
皆がグレイに話しかけてきた。もみくちゃにされながらテーブルにつく。私は揺りかごのような椅子に座らされた。
「俺は肉。この人には粥を頼むよ」
「あいよ」
料理を運んできた女性は、義手をつけていた。
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