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第一章
第一章
それはある蒸し暑い日の午後だった。
今年は空梅雨だったが、その日ばかりは今にも雨が降りそうな雲行き。
面倒くさがり屋の俺は、傘を持たずに学校へ出かけた。
水道橋で降りた時、少し雨がパラついてきた。
せめて学校に着くまでは、降りださないでくれと、天に願うばかりだった。
水道橋から都営三田線に乗って西巣鴨に行くのであるが、ホームのいつもの場所に並んで電車が来たので乗り込むと、どこかで見た顔の人に会った。
その人は何と、学長だった。
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