第一章

1/1
前へ
/7ページ
次へ

第一章

 第一章  それはある蒸し暑い日の午後だった。    今年は空梅雨だったが、その日ばかりは今にも雨が降りそうな雲行き。  面倒くさがり屋の俺は、傘を持たずに学校へ出かけた。  水道橋で降りた時、少し雨がパラついてきた。  せめて学校に着くまでは、降りださないでくれと、天に願うばかりだった。  水道橋から都営三田線に乗って西巣鴨に行くのであるが、ホームのいつもの場所に並んで電車が来たので乗り込むと、どこかで見た顔の人に会った。  その人は何と、学長だった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加