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「む、息子って。
みたらしは僕が飼ってる猫です」
「わかっている。
だが、そのくらいの愛情がこっちには芽生えてる、ということだ」
「でも他人に見せるのはちょっと、、、
それに覚えたところで丑蜜さんにできるとも思えませんし」
ニャァァッー、ニャァァァッー
「君ができるなら俺にもできるさ」
『他人に見せることに抵抗がある』
これを聞いてしまった以上、丑蜜としては何としても知りたいところだった。
「それが、、、そうでもなくて」
「いいか、うめね君。
こうしてる間にも電磁波による不調を来たしているみたらしは腹を空かせ過ぎて衰弱してしまうかも知れないんだぞ?」
「す、衰弱っ?」
途端に みたらしの声が掠れた。
ニャァ、、、ァ、、、ニャァ、、
「そうだ、ほら見てみろ。
こんなに鳴いて、腹はペコペコ、喉はカラカラ。
いつもしてもらってる手助けが今日に限ってないとなると、みたらしの心は飼い主への失望でしおしおだ。
こんな時こそいつも通りにしなくてはならないんじゃないのか?」
「そうですけど、、、」
「けど、何だ」
「みたらしのクセはその、、、
僕にとって凄く恥ずかしいことなんです。
なので、、、」
「恥ずかしいも何も、それでみたらしが落ち着くんだろ?
落ち着いて、ちゃんと飯を食うんだろ?
だったら何も隠すことはないじゃないか」
「そ、そうです、よね、、、。
確かに、、、
みたらしが落ち着いて食べてくれるなら、、、」
「な?」
「だけどあの、、、あの。
何をしても僕のこと、、、へ、変な風に見ないでくれますか」
「もちろんだよ」
「、、、、」
「どうした、まだ何か問題があるのか?」
「なんだか、、、丑蜜さんがワクワクしてるように見えるので」
虎太郎の胸に頭突きを続けるみたらしを覗き込んでいた丑蜜は、さっと身を引き、目をそらして咳払いをした。
「そっんなことは、、、ない」
ニャァァァッ、、、
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