首ったけ

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「あっ、すっ、、、すいません。 丑蜜(うしみつ)さんがいるのに。 僕から『変な風に見るな』とか言っておいて、、、」 さすがに気持ち悪かったかと後悔したが遅かった。 だが、背を向けている丑蜜は虎太郎(こたろう)がそれ以上何か言おうとするのを手を上げて制した。 「いや、謝る必要はない。 ただその、、、うめね君に惚れてる身の俺としては少々刺激的だっただけで。 邪な気持ちを抱いてしまい、すまないのはこっちだ。 マナーとしては聞くべきではないと承知しているが、正直なところ耳は塞ぎたくない。 つまり、、、続けてくれ」 「、、、は、はい」 それはそれで悪いと思うものの、ここまできたら今更一つ二つを隠しても仕方ない。 ─ いいじゃないか、もう何を思われても。 嫌われたのならともかく『惚れている』と言ってくれてるわけだし。 開き直った虎太郎は右の乳首を選んで吸い付く仔猫を抱き直し、思う存分にふみふみさせてやることにした。 雨戸に窓ガラス、遮光カーテンに縁側を挟んで障子戸と防磁シート。 重ねた(しゃ)へい物のせいか、音は全く入って来なかった。 静かな部屋で奏でられているのは、みたらしが満足気に喉を鳴らすグルグル音と、これまでで一番大きな『チッチッ』という吸い付き音のみだった。
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