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食事が済んだにも関わらず、みたらしは
ひたすら虎太郎に貼り付いていた。
空腹なはずなのに、ともすれば眠りかけるので、様子を見た虎太郎がチャンスとばかりに胸から離そうとすると何故か敏感に感じ取り覚醒してしまう。
─ いつもは数分で終わるのに、、、
今夜に限りそんなことの繰り返しで、いつまで経っても『フード皿から食べる』までには進めず、その上に右ばかり吸われてるので痛くてかなわない。
「食後の茶でも淹れて来るよ」
「すみません、調理台の上のポットに入れてありますから」
機転を利かせた丑蜜が食器を片付けがてら茶を取って戻る前に、虎太郎は何とかみたらしを離し、フードに移そうとした。
だが、そうすればするほど仔猫の執着は強まり、胸に爪を立てて暴れてしまう。
「あいたたた、痛い、痛いよみたらし」
どうしたものかと困っていると、戻った丑蜜が覚悟を決めたように茶器を下ろし、虎太郎の前に膝を着くと両手でそっとみたらしの前足を取った。
「ごめんな、みたらし。
お前の母様がいい加減しんどいんだと」
ニャァァァ、ナァァァッ、、、
前足を浮かされ、口が外れてしまったみたらしは途端に殺されるような大騒ぎである。
「丑蜜さん、反対側に」
丑蜜は仕方なく左の胸へとみたらしの向きを変えて移した。
吸いつくされた尖りはすぐに偏るシャツに隠されたのだが、
「爪で肌に傷いったか。
薬か何か塗った方がいいが、先に湯で濡らしたタオルを持ってこよう」
咄嗟に指先でシャツを分けてしまった丑蜜の喉が、虎太郎の赤く濡れて膨らむ乳輪、そして尖り立つ乳首を認めるなり石像のごとく固まってしまった。
「ぁ」
「っ、、、」
すぐに閉じてもらえると思っていたが、そこから丑蜜は虎太郎の胸を見つめたまま喉を上下させている。
「あの、、、っ。
シ、シャツ、閉じてもらえませんか」
「、、、、」
「う、丑蜜さん」
「え? あ、ああ、、、し、失礼」
虎太郎は自身の乳首が露わにされたところへもって、丑蜜からの刺すような視線、息を飲む気配にも耐えられず顔をそむけた。
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