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「これはうめね君の見立てだ、放っといてくれ」
そのセリフに察しを得た竹内はニヤリと笑い『良かったですね』と囁き、ついでに仔猫の特殊なフーディングがどういうものであったのかを尋ねた。
「言うわけないだろ。
だが、お前には助言を受けたからな、
みたら、、、梅音家の仔猫は、
『飼い主から溢れるほどの愛情を注がれていた』ということだけは教えといてやる」
そう言いながらも丑蜜は、いずれ胸吸いを止めさせないと、自身が仔猫相手に本気で嫉妬しかねないと真剣に思った。
「停電があった一昨日の夜から今朝まで、梅音家に泊まってたということで合ってますか?」
「そうだが?」
「と、いうことは、とうとうあの美青年が百戦錬磨の男の毒牙に、、、」
「勝手な想像をするな。
それに毒牙とはどういうことだ」
「だってそうじゃないですか、清廉潔白な梅音君が身も心も奪われ、挙げ句、契約も済んでない、国からの許可も下りてない持ち山に重機持ち込まれて掘削まで始められようとしてるんですから」
「彼の了承は得ている。
掘削については事情があって段取りを踏んでいる時間がなくなった。
とにかく動かせるだけの重機を入れて、山頂から直近の河川まで可能な限り深く勾配を取って掘り進めるようにしてくれ。
あと、うめね君の名誉の為に言っとくが、俺はまだ彼に手を付けてはいない」
「え、、、そうなんですか?
彼の家に泊まったと聞いて僕はてっきり、、、」
『手を付ける』というのがどこまでを指すのか微妙なところであったが、あの夜、梅音と相思相愛を確かめた丑蜜が許されたのはキスと愛撫までで、それ以上先に進むことは断固として拒まれていた。
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