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やばい。僕はとんでもないことをしてしまった。今に警察が僕のところに来るのではないか。そんな考えが頭の中でぐるぐる回っている。とにかく何とかしなければ。おもむろにパソコンを立ち上げた。立ち上がるまでの数秒がとても長く感じる。立ち上がって間もなく、ブラウザを開き、文字を入力していく。焦りで気が気じゃなかった僕は思わず、「人生 やり直し」と検索した。検索結果はやはり、くだらないサイトばかりだ。宗教関連、生まれ変わり、漫画の内容。それでも焦っていた僕は隅から隅まで目を見張った。
「何かないのか?」
暑くもないのに汗が噴き出る。何度も言葉を変えて検索してみる。「人生 セーブポイント」、「時を戻す方法」、「人生 変える」。
しかし、結果は散々なものだ。
「やっぱりダメなんだ。」
時間なんて戻せない。冷静に考えたらわかる。熱くなっていた身体から熱が抜けるのを感じた。一瞬危ない考えが頭をよぎったが頭を叩き、ブラウザを消そうとマウスを動かした。ちょうどその時、あるサイトに目が止まった。
「なんだこれ?レンタルライフ?」
体をパソコンに向け直し、吸い込まれるようにサイトを開いた。そこには、白い画面に黒い文字でこう書いてあった。
「人生の幕を引こうとしてる人へ。その身体、その人生、誰かに貸してみませんか?」
さっきの考えが読まれたようでドキッとしたが、深呼吸をしてスクロールしていく。またくだらないサイトだろうと頭は思っていても体が動いた。少しスクロールしたところで思わず、手が止まった。
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