天使の下心

私はメンタルクリニックに通い始め、三年生から大学に復帰した。一・ニ年次に単位を落としてしまった必修授業を下の学年と一緒に受けている。だいぶ授業のコマ数が減っている同級生達とは異なり、毎日朝から晩まで授業がびっしりだ。でもこのままいけば同級生達と一緒に4年で卒業できる。

ネオはあの後芸能界にシンガーソングライター・俳優として復帰し、第一線で活躍している。天使みたいだと思っていた彼は別の意味で雲の上の人だったのだ。

ネオと週刊誌に載ったのが私だということは周囲にばれてしまっていたけれど、私が大学に復帰する頃には時間が経っていることもあってか何か言ってくる人は少なくとも表面上はいなかった。

ネオと過ごした時間は短かったけれど、私が大学に復帰できたのは紛れもなく彼のお陰だった。