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柔らかな陽射しに包まれたバルコニー。そこに置かれたソファに座る私の膝にネオが頭を乗せて目を閉じている。
「天使・・・。」
思わずその言葉が漏れて、頬に口づけようとするとふいにネオが起き上がって、花びらのようなその唇が私の唇に触れた。
「もう三十路のおじさんなんだから、さすがに天使はやめてよ。」
照れたように笑うその笑顔は天使の微笑みそのものだ。
「それに、俺達の天使はここにいる。」
ネオがそう言って私のお腹に触れる。すると『いるよ!』とでも言うかのように、反応してくれた。
───『天使の下心』 完───
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