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手紙にはまず
[ロシア連邦軍参謀本部情報総局]
と書かれていた。
どうやらこれが差出人のようだが、まずこの組織がどういった組織なのかもよく分からない。
更に同封された手紙を要約すると、私達を襲ったのは差出人の組織の人間で、日本におけるロシア製ライフルの密売集団を、極秘理に暗殺した現場に私達が居合わせてしまったのだと書いてあった。
しかし、暗殺を行った実行部隊は、明日飛行機でロシアに帰るので、この事は日本政府や関係機関には口外しないで欲しいと言う内容だった。
更に、約束を守ってくれれば、同封されている小切手は私達の物だとも書いてあるではないか。
私達は慌てて先程の2枚の紙切れを拾い、確認する。
するとそこには、アメリカドルで五万ドルと書かれた小切手が、2枚同封されていたのだ。
この時点で、選択肢は2つしか無い。
この手紙を持って警察に行き、明日私達を襲った奴らを逮捕させるのか、彼等の頼みを聞き入れ、金を手にするか。
私達は話し合いの末、小切手を受け取り、手紙を燃やす事にした。
そしてこの事は、生涯二人だけの秘密となったのだった。
ー完ー
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