不思議な赤ん坊

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不思議な赤ん坊

どうやらその赤ん坊を調べてみようという極秘プロジェクトが立ち上がったらしく、母親と赤ん坊は秘密裏に日本にやって来た。 もちろん、母親と赤ん坊にストレスを感じさせない様に最大限の配慮をしてのおもてなしである。 前身の超常能力研究所であれば多少荒っぽい実験もされてたという噂も聴くのだが現代では絶対に許されない。 そこで、母親の希望を最大限に聴くとの事で何故か僕が研究のチーフに選ばれたのだ。 恐らく人畜無害が服を着て歩いてる様な溢れ出る安心感が母親の目に止まったのであろう。 僕は久々にワクワクする何かを見つけられそうな予感がして二つ返事でチーフの依頼を引き受けた。 しかし、初対面した赤ん坊はごく普通の赤ん坊に見えたので、何事もなく一週間が過ぎた頃には、母親の勘違いではないのかという疑念が芽生えはじめた。 事前に撮ってあった、赤ん坊の動画を見ると確かに不思議な言語を話してる様にみえるが、そもそも、これは本当に言語なのだろうか? 現代のあらゆる言語に当てはめてみたが該当しなかった。 宇宙語? なんて、そんなバカな考えが浮かんだ時に仏教に詳しいとある研究員が「もしかして、これサンクスリットかもしれません」と(のたま)った。 「サンクス?リット?」と繰り返すと「古代インドの言語です」と教えてくれた。
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