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「あのう。」
突然、顔馴染みの住み込み管理人が申し訳無さそうな顔をして、俺たちの方に歩みよってくる。
俺たちは、あたかも何も無かったかのように、パッとお互い離れて、関係を隠す。管理人は、ほんの少し後退した頭をぽりぽりと掻くと、言いづらいんだけど、と前置きをして本題に入る。
「水上さんねえ、あそこの天井にカメラあんの、知ってる?」
唐突すぎて何を言われたのか、理解できない。
「……え?カメラ?」
「防犯カメラ。そこで彼氏と昼下がりの情事やってるとね、俺んところと警備会社に生中継されるんだよね。
俺は偏見ないけど、そういう関係って、普通、内緒なんだろ?」
気を効かせてくれた管理人が、白い歯を見せてニカリと笑った途端に、俺は状況の全てを理解して声にならない声を叫んだ。
「うわああああああああああああ
なんでいつもこうなるんだよ!!!」
かなり、どうでもいい話だが、
俺たちの関係即バレ事件は
これが数えで4度目となる。
毎度のことながらバレすぎである。
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