第九章 「仲良し大作戦3 side奈々瀨」

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「こんなところって...。別に何でもいいだろ」  奈々瀨の逸らした視線の先が気になったのだろう。その先を追いかけて、冷華は声を上げた。 「...鏡?」 「あっ、ホントだ〜。こんな大きな鏡を熱心に見つめてどうしたの?......もしかして、ハゲとか」 「悠樹てめえ殺すぞ」 「も〜、冗談だよぉ。でも、そんなにムキになって言われると怪しくなっちゃうよね〜」 茉紗はからかうような口調でそう言って、楽しげな笑い声を上げた。彼女だけは純粋なおせっかいだけでここに来たのだろう。後ろの冷華は未だ不審そうに奈々瀨のことを見ていたし、稔のほうはずっと居心地が悪そうなままだ。もう、怒っても...泣いてもいないようで、ほんの少しだけ安心した。 「お前が信じてんなら、ハゲでもなんでもいい。いちいち言うのも、面倒くせえし。......とりあえず、俺がここにいる理由もわかったんだし、悠樹」 「えっ、いいの.........って、違うよ〜。もう、ナナくんはずっとズルだ」 「ああ、それでいいさ」
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