第九章 「仲良し大作戦3 side奈々瀨」

49/50
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
「ななちゃん、あれっ」  彼の者の行動に、大変、といった慌てようで奈々瀨の肩に手を置きながら、普段どおりの声量で指差す。 「おい、こっち見たらどうすんだよ...」 無駄だ、とは薄々感じていながら、声を抑えることを意識しつつ、後ろの稔を睨みつける。しかし、そんな奈々瀨の意図は残念ながら伝わらなかったようで、首を傾げてさも当然とばかりに答えた。 「えっ?そのときは、ななちゃんがどうにかしてくれるんでしょ?」 「......はあ」 やはり、どうにも調子が狂う。だが相手が稔ならば、それも悪くないような気もして、そんな自分にため息が出る。奈々瀨が稔を見れば、到底何も考えてはいなさそうな笑顔が返ってきた。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!