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声の主に顔を向ければ、壁に寄りかかった元春がこちらを見ていた。薄く笑みを浮かべながら、その三白眼がみくるを射抜く。
「……せっかくいい気分だったのに萎えた」
「アルコールも飲めないガキが何言ってんだか」
「2歳しか変わらないくせになんでそんなえらそうなの!」
「あーあ、泣きすぎて目真っ赤じゃん」
音もなく距離を詰められて、するりと目元を撫でられらる。ゆっくりと上目で見上げた先で、甘ったる眼差しと視線がぶつかって、しまったと思った時にはもう遅い。
顎を掬われて、逃げる間もなく唇が重なった。慌てて推し戻そうと、元春の胸に当てた手はビクともしない。そのまま逃げられないように、背後の壁に体を押し付けられる。
「んぅ、……っ!」
柔らかな感触に震えた。絶対に口を開けてやるもんかと固く引き締めていた唇を、そんなの簡単に予測していたような元春に、腰のラインを軽くなぞられれば、「う、ひゃあっ」と変な声が出てしまう。
「はい、そのままな」
「な、ま、……っ、ん、ふ、!」
簡単に滑り込んできた舌が絡まりあって、熱と甘さを直に伝えてくる。卑猥な音ともに意識がなんだからくらくらしてきて、本物のアルコールの強さを思い知った。
「……あーあ、弱すぎ」
「ん、やっ、」
「こんだけの酒でやられんなら、お前持ち帰られても文句言えねーよ?」
「ぁ、……はっ、はあ、」
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