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コミックを読み終え、 「あー!面白かったー!」 ソファに座り、背筋を伸ばした後は、飲み物を取りに行く。 冷蔵庫からプシュ!と小気味よい音を立て缶チューハイを開け、飲んだ。 明後日からロケだけど、今日は簡単な打ち合わせが昼前にあっただけ、明日は丸々オフだし。 それに、撮影も避暑地や旅館を使うみたいだし。 AVの撮影は大変だけど、あちこち行けて、プチ旅行みたいな感じなのも悪くない。 現地の名物とか美味しい物を食べれたりもするし。 「うーん。動画でも観ようかなあ、映画もいいな」 ふと、テーブルに置いていたスマホが鳴った。 もう1時回ってる、てのに、誰だろ。 見てみると、人気アイドルグループの1人、大地だった。 芸歴は長く、私より年上の27歳。 「マジかよ...」 無視する訳にもいかないので、チューハイ片手に電話に出た。 「お久しぶりです。こんな遅くにどうしました?」 一応、ジャンルは違えど、先輩なので、敬語で猫なで声。 「あ、MiUちゃん、久しぶり。久しぶりにMiUちゃんの顔見たいなあ、て思ってさ。良かったら来ない?」 顔を見たい?裸を見たい、の間違いでしょ。 良かったら、てなんか威圧感ある言い方。 「あー、私、今日はもう眠いかなあ、て」 「明日も仕事」 「や、オフですけど」 しまった。 仕事、て嘘ついたら良かった。 ....でも、オフではなかった、て、後々、バレたらバレたでめんどくさいかもな。 「んじゃ、おいでよ」 「あー、明後日から撮影なんですよ。台本も読まなきゃでー」 ヘラヘラ笑った。 徹平とやった夜なのに、また他の男、とかダルいんですけど。 ファンの女の子とか呼び出せばいいのに。 喜んで裸になって股開くだろうに。 「台本?だったら、家で読んだらいいじゃん。合わせてあげるしさ」 ああ、この人、ドラマや映画もやってたっけ...。 AVの撮影の台本に合わせる、て読み合わせなんて、ホント最初だけで、後はセックスなんだけど。 私なら後腐れないし、一応、プロだから、て事なんだろう。セックスの。
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