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「慎重になりすぎるのもな。
橋を渡らないより、渡ってみてから考えた方がいいぞ」
「……わかってるよ」
痛いほどにわかっている。
一歩踏み出す勇気があれば、何か変わっていたのだろうか…
そんな後悔をするよりは、前に進みたい。今は本気でそう思うんだ。
「ああそうだ。
昇平くん、結婚したんだろう?
坂上校長から聞いたんだ。
もうすぐ子供も生まれるって…」
……顔に書いてあるよ。
俺も孫が欲しいってな。
「……いいなー……」
おい、心の声が漏れてるぞ。
「……期待に応えられるかわからないけど、俺なりに頑張るから。
だから余計なことはするなよ。
母さんにも言っておいて」
「わかったよ。
でもお前、ランサークルは続けるんだろう?」
「そのつもり。今夜も行くよ」
「なら、邪魔せず見守ってるよ」
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