ランサークル

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「ご、ごめんなさい! 遅くなってしまいました!」 そこへ、美由紀先生が走ってきた。 ごく普通の、黒とピンクのランウェア。 なのにランウェアのモデルのようだ。 しかも、幼稚園にいる時と違って、ポニーテールにし、おでこを惜しげも無く見せている。 綺麗な卵形の顔だが、マスクが残念だ。 「乾先生! 私がお誘いしたのに、遅くなっちゃって……」 「え?……ああ、大丈夫。 ほとんど知ってる顔だし」 「美由紀、珍しいな。 いつも誰よりも早く来てるのに」 淳之介が話しかけてきた。 ……ちょっと待て。 呼び捨て? 随分親しげなんだが…… 同期……ではなかったよな? 「あ、うん。 出かけに大家さんから話しかけられて。更新のことでちょっとね…」 「更新するんだろ?」 「うーん、迷ってる。 学園にも駅にも近くて気に入ってるんだけどね、アパートの1階だから、皆に防犯上良くないって言われちゃって……」 「アパートの1階!?」 俺は思わず叫んだ。 「あ、はい。そうなんです。 皆に危ないんじゃないかって言われるんですけどね。 でも今までなにも問題ありませんよ?」
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