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そこへパタパタとスリッパを鳴らしやってきたのは、担任のミキ先生だった。この学校の中では、生徒から一番人気の女性教師である。顔立ちが良く、人間性も良い。男女分け隔てなく好かれている先生だ。
「あっ、いたいた。ハナさん、タキ君をちょっと借りるわよ」
「タキ君ならいませんよ」
「なぬっ。肝心な時に、どこに行ったのよ、もう!」
ウェーブの掛かった長い髪を肩越しに払い、腕を組むミキ先生。
「ど、どこですかね……」
「ハナさんを一人残して消えるとは、けしからんな」
(はは、私は別に大丈夫ですけど……)
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