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通話が終わり、ホーム画面に戻ったスマホを確認すると時刻はすでに21時を回ろうとしており、帰宅してから2時間しか経っていないはずなのに眠ってしまっていた自分に驚いた。
直後、警察の人が電話口で言われた『杉山夢のこと』つまり、自分の嫁のことについて聞かれた事が頭の中に戻ってきてそれを反芻する。
言葉の意味を理解しきる前に手元のスマホを操作して電話をかける。
画面に表示された【夢】という表示を見ながら電話に出てほしいような出てほしくないような、言葉に言い表せられないような気持ちになる。
今日は高校の同窓会があるとかで夜は遅くなると言っていたしもしかしてその時に、何かあったのか、それでも警察から明日、それも警察署に来いと言われるのも不思議に感じた。
事故だったり夢になにかがあればすぐに警察署なり、病院なりにくるように言われるのだろうが、電話口の警察も焦っている様子はなかったので皆目見当もつかなくモヤモヤしたが、もしかしたら酔ってなにかやらかして警察お世話になったのかもしれないと楽観的に考えて無理矢理納得することにした。
きっと、酔っ払って何かやらかしたのだろうと少し怒りを覚えながらも
『今度は何したの』
と簡素にメッセージを送るが、こちらも既読にはならず、やはり警察にいるのかと思うことにして先ほどまでと同じように意識を手放そうとするものの、一度脳が覚醒してしまったところですぐに眠りにつくことはできなかった。
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