二章

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土曜日の朝で、3連休に入るというわけでもないというのに何故か道は混んでいて自分の中の予定よりも30分ほど遅れて冬河警察署の駐車場に車を停める。 昨日の夜に送ったメッセージはまだ既読になっていなくて、警察署では携帯を見ることも許されないのだろうかと想像してみる。 とはいえ、飲み会に行ってなにかやらかしているのだから携帯を見れないくらいどうってことはないだろうし、なにより俺の携帯番号がわかるのであれば失くしたというわけでもなさそうだなとぼんやり考える。 自分が何かしたわけではないにしても警察署に長時間いるというのは精神的に辛く感じるので早急に謝罪して嫁を回収して帰ろうと署内へ進んでいく。 建物の中へ入ると床や壁のあちこちに【〇〇の方はこちら!】と案内書がされており、丁寧だなと感じるが、それ故に自分の用件がどこに当てはまるのか混乱するところでもあった。 入って正面に2階へ続く階段があり、そこには老若男女が長い列を成して1階まで最後尾が伸びていた。そこの上部には【運転免許証更新・失効の方は2階へ】の文字があり、並ぶのはここではないなと結論付けて、自分の目的の受付を探す。
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