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「離れですか」
「はい。宿泊もできる貴賓室になっております。せっかくご来店下さったのでお食事だけでも通常料金で出させていただきますが、いかがいたしましょう?」
女性は傍らに置かれていた部屋案内のパンフレットを私達にみせてくれた。趣のある和室が二つ連なっているようだ。
「そこでも平気?」
「うん」
女性はにこやかに笑み、いったん外に出て離れへ案内してくれた。
離れは日本庭園の池にかかる橋をわたった反対側に位置していた。こんな広大で格式ありそうなお店が都内にあったなんて知らなかった。
旅行会社に勤めているから食事処や宿などの情報には明るいと思っていたのだけれど、まだまだ勉強不足だったなと思いながら部屋へと足を踏み入れた。
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