Skincare−1 クレンジング

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「そりゃ、これでもプロだし…プロのお肌が荒れてちゃ商売的にマズいでしょ。ただ……小鳥の肌の状態と長年友でいる感で言わせてもらえば、小鳥のお肌に足りないとしたら……潤いじゃないかな?」 「潤い?スキンケアはしてるよ?いつも口コミで高評価のやつ、使ってるし。まぁ、デパコスは高いから?ドラッグストアのだけど」 「そうじゃなくて」 「じゃないと?」 「小鳥に今必要な最高のスキンケアはさ、  たぶんなんか別のものだよ。例えば恋とか」 「恋?今、肌年齢の話してるんだよ、わたし達」 「よく言うでしょ、ホラ。大切なものは  目には見えないって。肌も同じだって。 好きな人ができると、彼のためにキレイでいたいって考えて行動に移す。それでお肌がイキイキとする」  そう言って微笑む絵麻にわたしは宙を睨む。  絵麻には長年付き合う彼氏がいる。  説得力はあるなぁと思いながら、ささくれた爪の皮を反対の指で剥いたら、血が出てきてしまい慌てる。
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