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「そりゃ、これでもプロだし…プロのお肌が荒れてちゃ商売的にマズいでしょ。ただ……小鳥の肌の状態と長年友でいる感で言わせてもらえば、小鳥のお肌に足りないとしたら……潤いじゃないかな?」
「潤い?スキンケアはしてるよ?いつも口コミで高評価のやつ、使ってるし。まぁ、デパコスは高いから?ドラッグストアのだけど」
「そうじゃなくて」
「じゃないと?」
「小鳥に今必要な最高のスキンケアはさ、
たぶんなんか別のものだよ。例えば恋とか」
「恋?今、肌年齢の話してるんだよ、わたし達」
「よく言うでしょ、ホラ。大切なものは
目には見えないって。肌も同じだって。
好きな人ができると、彼のためにキレイでいたいって考えて行動に移す。それでお肌がイキイキとする」
そう言って微笑む絵麻にわたしは宙を睨む。
絵麻には長年付き合う彼氏がいる。
説得力はあるなぁと思いながら、ささくれた爪の皮を反対の指で剥いたら、血が出てきてしまい慌てる。
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