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「婚活とかアプリとか、今、いろいろあるじゃん」
「そういうの無理無理。初対面の人だとめっちゃ緊張するから普段通りにできないし、何よりそういうとこに行く勝負服?みたいなの一切持ってないし、仕事忙しいし、彼氏できても急に仕事入って、デートとかできるかわからないし」
「仕事熱心なのはわかるけど……このままお肌に水も栄養も与えずにエンドレス枯らしてくしかなさそうだよ、それ」
「エンドレス枯らす……」
バケツの冷水を頭から被ったような気がして寒気がした。
ぶるっと震えた私の両手を労るように触れた絵麻は慣れた手つきでゆっくりとハンドマッサージを始めた。
「例えばさ。この手が小鳥のめっちゃ好みの男子の手だと想像してみて?肌が甦る気がして来ない?」
「えっ…なにいきなり」
「いいから目閉じて。それともお肌このまま枯らす?枯らさない?」
「……枯らしたくない」
珍しくきつい口調の絵麻に内心驚いたけれど素直に好みの男子を想像しようと目を閉じた。
好み……好み……好み…の男子……と
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