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食事の後、彼がフロントに預けていったタクシー代でタクシーに乗り自宅まで帰った。ベッドに入ってもあのどきどきを想い出す。
『俺、そういうところ、好き』
和久井君のくれた言葉と熱っぽいキスとまなざしはわたしを現実に否応もなく引き留めて、なかなか眠らせてくれなかった。消えないどきどきに何度も思った。
なんなのだ、あのキスは。
嫌じゃないって思ってしまったあの気持ちはなんなのだ。
……わたしはいったいどうなってしまったのだ。
その夜は動揺し過ぎて化粧を落とすのもスキンケアもぜんぶ忘れてしまった。
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