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「和久井君だっけ?」
「うん」
「好きって言ってくれたなら、そうとうまじなやつだったんだと思うよ」
「そうかなぁ……」
「だって話聞いてると、彼、秒速アプローチしたわけじゃん」
「秒速アプローチ?」
「うん。小鳥に彼氏がいないってわかってのいきなりチューでしょ」
にやにやしながら丸いケーキの上のラズベリーをぱくりと頬張りながら絵麻はのんきに言う。
「なんでそのままお泊りしなかったの?小鳥だって少しはいいと思ってたカレでしょーが」
「だって……お店で前に他の女の子の誕生日に水族館行く約束とかすんなりオーケーしてたし、きっと目の前に無駄に背中出してる女がいたからつい出来心で……とか」
脱がされてしまったボレロのキスを想い出して、また顔が火照る。
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