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Prologue
恋をすると女はきれいになる。
好きな人のためにきれいになろうと
がんばるからよ。
あれは五歳の時だった。
同じマンションに住む幼稚園が一緒の男の子に初めての恋をしたわたしに母がドレッサーの前でそう教えてくれた。
微笑みながらわたしの髪をおさげに編みながら教えてくれたあの嬉しそうなまなざしを懐かしく振り返る。
だけど、おとなになったわたしは不器用で、いつも自分のことで精一杯で、仕事に追われる毎日で、いまだにその意味が解らずにいる娘だった。
でもきみに出逢ったいま、少しずつ、わかりかけてるような気がする。恋をしてきれいになったわたしをきみに見て欲しい。そんな想いにかられるんだ。
これからは今以上にスキンケアをがんばると決めたのだけれど……なんだかこの恋、荒れ模様?!
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