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私の名前は『泉宮 悠乃(いずみや はるの)』、静岡の高校を卒業して上京し4年制の大学を卒業後、東京都内のIT系企業に勤める27歳独身の会社員でアパートで独り暮らしをしている。
2年前から世界中に蔓延した未知のウィルスの影響で人と接することが感染拡大の要因になることから、会社に出社せずに自宅でリモートで仕事をすることが多くなった。
ウィルスの発生が確認された当初は、このようなリモートでの仕事に戸惑いがあったけれど、慣れというのは怖いもので今ではリモートで仕事をすることが当たり前のようになっている。
そんな中で私は自宅にこもりきりの生活に嫌気がさし、ウィルスが発生して1年が経過すると気分転換を兼ねて時々自宅近所の漫画喫茶やレンタルオフィースを使って仕事をするようになった。
しかし、これにも飽きてきた私は、思い切って旅行気分で田舎に行って仕事をしようと思い立った。
私はインターネットで安く宿泊できる場所を探すと古民家をWiFiが使えるように改修したレンタルスペースがあるのを発見した。
古民家のレンタルスペースは時間単位でレンタル料金が設定されているけれど、宿泊もできる古民家もあることが分かった。
未知のウィルスの影響で首都圏を中心にリモートでの仕事が増えていることから、このようなレンタルスペースは最近急速に増えているようで特に東京近県で急速に増えていた。
私は東京都内から車で移動できる範囲で、山梨県の鳴沢村にある古民家を利用することにして、インターネットで予約手続きを行った。
まずは2泊してみようと考えて木曜日から土曜日にかけて2泊3日で鳴沢村の古民家をレンタルすることにした。
私の会社は週休2日で、土曜日日曜日が休日となっている。
暑さも和らいで過ごしやすい季節になった10月の木曜日、この日はいつものように自宅でリモートで仕事をして、定時に仕事を終えて車で鳴沢村に向かった。
夕刻は車が混んでいて東京を抜けるまでに少し時間がかかった影響で、2時間30分程度で鳴沢村の古民家に到着した時には時刻は20時30分を過ぎていた。
古民家の管理人さんに案内してもらって古民家の鍵を受け取って玄関を入ると、中は古びた感じではあるけれど清掃と整理が行き届いていて何となく懐かしい感じがした。
部屋は居間と寝室、台所の3部屋で、テレビ、コンロ、冷蔵庫、電子レンジなどの家電製品があって、管理人さんから自由に使っていいと言われている。
古民家の周辺は何もなくて東京都内と違って真っ暗で少し怖い感じもするけれど、虫の鳴き声が聞こえてきて静かで落ち着いた雰囲気だった。
私は自宅から持ち込んだ食材で簡単な夕食を作って食事を済ませ、お風呂にゆっくり浸かって1日の疲れをとった。
寝室にはベットが用意されていて、その後少しテレビを観たりしてから夜中の12時を過ぎた頃に就寝した。
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