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女になった僕
物心ついた頃から私はみんなとは違っていた。
男の子なのに、興味のあるものは女の子みたいな可愛い物、キラキラした物。
2つ上の姉とそれらは共有し、一緒に遊んだ。
小柄で細く、色白で、女の子みたいな、たまに女の子に間違われたりもする私に母は似合うから、と女の子の服を着せたりもして、鏡に映る自分に違和感はあまり無かった。
母も姉も可愛い、と言ってくれた。
男の子だった私の初恋もまた、同性だった。
クラスメイトの男子。
小学生の私はおとなしく、内気で恥ずかしがり屋で、彼と話すどころか目が合うだけで緊張したり、ドキドキしたりした。
私の本当の名前は広瀬和幸。
現在は広瀬真衣。
姉の真由、の名前を一文字もらった。
高校を卒業し、頑張って貯めたお金で性転換した。
といっても、手術は想像するだけでも怖くて、下は付いたまま。
柔らかく大きな胸があり、髪の長い、ニューハーフというか、男の娘なのかも。
中、高と、小柄で華奢で色白な上に顔立ちまで女みたいで。雰囲気や仕草まで女っぽいらしい私は虐められていた。
理解者は姉の真由と高校時代の親友、理香子。
初めて、高校時代、姉や理香子に女性の服を着せられメイクをされた。
165cmと、男子にしては小柄な私。
子供の頃に母が女の子の服を着せた事もあるけど、メイクまで施されたのは初めてだった。
「やっぱり似合うね、和幸。私、女、負けてる」
姉が悔しながらも笑った。
高校を卒業し、自分の生まれ持った男の体に違和感しかなかった私は性転換を決め、最初は一見、時給の高い、ホストやバーに勤めたけど。
そう簡単にはいかず、私は売り専、男性を相手にした風俗で働き始めた。
キスも、初体験も、初めてのフェラも会社員だという、見ず知らずのお客様。
私は女性になる為に身を削り、懸命に働いた。
週2日の休み以外は売り専のボーイとして、男性に抱かれる日々。
21歳の頃にはお金も貯まり、美容外科で女性ホルモンを投薬しながら、豊胸するお金は貯まった。
けれど、胸のある男が売り専のボーイとして働ける訳はなく、店長から、ニューハーフが勤める風俗店を勧められ、面接にこぎつけた。
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