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変貌と困惑
今日は四人のお客様のお相手をした。
職業は様々で、年齢は30代から50代。
時間も90分がお二人、120分がお二人。
店長から日払いのお給与を受け取り、宛てがわれた部屋でドレスから出勤時の服に着替える。
小さめのピンクに白のドット柄のトップスに白の細いデニムにヒール。
履きなれていき、高いヒールにも次第に慣れてきた。
ヘアアイロンで髪を巻き直し、軽くメイク直し。
ピンク色のティントに少しグロスを塗った。
優太と待ち合わせしたバーへと向かう。
優太と良くいく、料理もお酒も豊富なオシャレな雰囲気のバー。
互いに新宿二丁目なので、徒歩で優太も向かう。
先に着いていたはずの優太の姿を探し、店内を見渡す。
優太の姿がない。
ハンドバッグからスマホを取り出し、優太に連絡しようかな、と思った、その時。
「真衣ー!こっち!」
奥にあるテーブルから優太の声がし、向かった私は唖然とした。
つい先日まで男の子だった優太がアイドル顔負けの美少女になり、笑顔で手を振っていた。
小さな丸い顔の顎はシャープに尖っていて、一重で笑うとなくなりそうな笑顔は可愛かったのに。
ぱっちり二重の大きな瞳。
鼻も口も以前から小さくはあったけど、一層、その大きな瞳を際立たせた。
黒髪のサラサラなショートボブもまた、優太の小悪魔みたいな可愛さを際立ててる。
ふと視線を落とすと、谷間が見える、大きな胸を見せつけるようなカットが施された黒地のトップス。
「ど、どうしたの?別人みたい、優太」
思わず、優太、と呼んでしまい、優太は口を尖らせた。
「とりあえず、座って、真衣」
優太に促され、優太の反対側の椅子を引いた。
優太は既に飲み物を注文していて、カクテルを飲んでいた。
「ほら、真衣もなにか頼みなよ」
「え、う、うん...」
優太もお代わりを頼み、優太はテキーラサンライズ、私はチャイナブルーにした。
オーダーを取りに来た大学生らしいウェイターに上目遣いで微笑み注文する優太はとても魅惑的だし、ウェイターも自分に向けられる美少女の優太の笑顔に釘付けながら、顔もほんのり赤い。
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