プロローグ

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「“ふぅ”ちゃんって言うの?名前」 「うん!“ふぅ”は“ふぅ”って言うの!」 「そっか。今何歳?」 「25歳ってシロが言ってた」 「シロ?…ってか…えっ、25歳っ!?」 羽海は23歳。失礼だがまさか自分より歳上だとは思ってなかったので羽海は心底驚いた。 「お姉さんは?」 「お、お姉…さん……。えぇっと……2…」 23、24、25、、、「26歳……」 ずり落ちた鞄を肩に掛け直しながらつい本当の歳を言えず小さなプライドから年齢詐欺をしてしまった自分を情けなく思いながら嘘を吐くと「“ふぅ”と1個違いだね」と“ふぅ”は柔らかく笑った。 どうせ老け顔だよ、あたしゃ…。「とほほ…」半笑いで歩いているうちに交番が見えて来た。 もう少しで着く…そう思った瞬間、「こんにちはぁ」と突然現れた知らない男に羽海は肩を抱かれた。 「ちょっと良いですか?」 さらにやって来た男達に囲まれて羽海は何が起こったか分からず「なっ、何ですか、急にっ!?」と目を丸くしたが、その間に引っ張られるように路地裏に“ふぅ”と一緒に連れて行かれてしまった。
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