代償

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 ──ああ、雨だ。  休日の朝。明るい着信メロディに眠りを妨げられた。  成美(なるみ)はベッドの上にゆっくりと起き上がり、友人からの通話に応えようとスマートフォンを手に取る。  窓の外から聞こえる慣れた音が耳に流れ込むのとほぼ同時に、記憶の蓋が(きし)みながら開いた。
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