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通話を終えてふと窓に目を向ける。
いつの間にか降りは激しさを増していたらしく、雨粒がガラスを叩く音が耳に響いた。
雨が降ると嫌でも蘇る記憶。
一生忘れられない想い出になったあの日と同じ、この音に呼び起されるから。
──彼女が、成美の忠告通り刃物を携えて訪ねた部屋で、彼を刺殺して五階のベランダから飛び降りた、あの大雨の日と。
~END~
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