人類など、どこにもいないさ。

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 これが、かの”人類”なのか…?ウェン・Dは絶望した。自分達が護ろうとしていた者達の正体、生命維持装置に繋がれ、辛うじて生き延びているソレは既にして、”人”の容(カタチ)など保っていなかったのだ。胴体すら無い者も、そこに居た。これが…過半数の… メディカルスタッフに肩を掴まれた時、ようやく自分が跪いていることに気が付く。それと同時に、無慈悲な答えも返ってきた。 ”残念ながら、その通りです。限りある資源、限りある生活空間。汚れた地上を捨てて生きるということは、つまり、こういうことです。しかし我々は__” ふふ…私が想い描いていた”人類”など、もう… いいさ。なんとなくわかっていた。 だがしかし、私は…何のために闘争(たたか)えばいいのだ…? …哀れだな…お前等も、私達も… ※コスト削減のため、生存や繁殖に必要な器官のみを残し、残りは捨てる。 このやり方が最も”種の繁栄”のために必要なことだと考えたため、私はこのような妄想に至った。当然、これは公式見解ではなく、私の妄想である。
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