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「痛ってええ!!!」
落ちていた土器を蹴飛ばしてしまった。死角にあったので見えず、不意打ちの痛みに怒気が込み上げる。
「あああああもう!!!!」
怒気に任せて土器を蹴り飛ばそうと衝動的に足を上げたが、結局痛みが増すだけだと蹴り先を地面に変えた。土が空しくまき散らされる。
土器を踏んだ上に怒気をわめく。誰かに見られたらお笑い者だが、ここは退き地。誰にも知られないのでそこだけは安心だ。
「はあ……こんなことしてる場合じゃないだろ。準備しよ」
落ち着きを取り戻す。時はもう過ぎている。土岐に行く為に身なりや持ち物を整えた。
ちなみに自分の名字は土生。
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