記憶と時間

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「……ごめん。俺はあいにく、君の事を深く知らないんだ。 ただ、君と話したことが一度あるくらいでさ。だから、君の役には立てないかもしれない。 でも……俺、ずっと君に会いたかった。俺、君と友達になりたいんだ」 その途端、心の奥底にその彼の言葉が響いて私は涙が止まらなくなった。 どうしてか、分からない。 この懐かしいような、すごく嬉しいような、この感情は何と言うのだろう。 号泣する私に、彼は慌てながらも私の頭を必死に撫でる。 私はずっと、同じ時間を繰り返している。
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