サクラとレン

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「ただいまー…」 「あら、おかえり。春」 鞄を茶の間に投げ捨てて、畳の上に体を預けた。窓から入ってくる暖かくて穏やかな風が心地よい。今日はここで漫画でも読もうかな…。 「帰ってそうそう寝っ転がって~。外にでも遊びに行ったら?」 「ばあちゃん。俺何歳だと思ってんの」 「ん~…今年で……7歳?」 「17歳だよ!」 「あははっ、そうね。そうね。」 たく…。ばあちゃんってば…。 俺は、ばあちゃん家に下宿させてもらいながら高校に通っている。ばあちゃんの家は大自然とは言わないけど程よい自然に囲まれて、時間の経過がゆっくり感じられる。都会とは大違いだ。 「春、ばあちゃん今日夕方からお稽古だから冷蔵庫のご飯適当に食べなさいね」 「あれ、今日って水曜日か…。わかった」 ばあちゃんは週に1回。自宅の一部を使って華道を教えている。生け花には色々、流派があるらしいがばあちゃんが教えているのはここ何十年かでできた流派で、まだ人口が少ないらしい。 そういや今日勧誘してきたあいつも流派がどうのこうのって話してたな…。なんだっけ…。ちせん流…??せんせん流…?? ま、どうでもいいか。 「すみばぁちゃーん!!こんにちはー!」 「おや…''かえちゃん''」 「げっ…めんどくさいのがきた…」
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