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貧しい両親の必死な教育方針に沿って、2歳の頃からピアノや水泳、書道など沢山の習い事をしてきた。
小学生の頃、同じピアノ教室に通っていた友人が県大会で優勝した。自分と同じ時期に通い始めたのに、彼女とのピアノの技術の差は歴然で、自分には彼女のような才能は無いのだと気づき、愕然とした。
それはピアノ以外の習い事でも同様で、自分より後に習い始めた人に追い越され、惨めだった。
なぜ自分には才能が無いのだろうか?
努力ではどうしようもできない理不尽さに腹が立つ。
思えば、お金持ちの家に生まれて毎月数十万のお小遣いを貰える子、美しい容姿に恵まれてちやほやされる子、スポーツの才能に恵まれてプロになる子など、色々な"プラス"を持った子が存在していた。
なぜ自分は貧乏な家に生まれ、学力や容姿、スポーツ、絵など、どの分野にも恵まれなかったのだろうか?
しかも、人の目を見て話すのが苦手、コミュニケーションが上手くとれないという"マイナス"を抱えている。
両親は毎日些細な事で喧嘩している。
このことを人に話すと「五体満足で生まれてきただけでも幸せでしょう?」と言われる。
確かにそうだ。自分より明らかに不幸な人が世界中に存在することは分かっている。でも、自分はその人たちと比較して気が楽になるような性格ではない。
これからもずっと"親ガチャ上位者"に憧れて生きていくのだと思う。
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