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キンコンカンコン!キンコンカンコン!①
俺の仕事は女を運ぶ仕事とホテトル嬢を現場まで連れて行って、客から金を回収することだった。
送り出し、オンナ達のボディガード。それが、いの一番の仕事だ。
腕っ節が強くないと行けねぇ。
何故だか分かんねぇが、ホテトル嬢に手を出しても行けねぇ。触れるだけで殴られる。
その代わり、月に一度、西川口で女を宛がってもらえる。
しかも、ただだ。それが俺の今の仕事。
車の免許があるのと根性と夜に強けりゃできる仕事だ。
楽なモンだぜ。
しかし、今夜の客はヤバかった・・・
客は初めての客ではなかった。3年前に一度、ウチのホテトルを利用してた。
パソコンに履歴がある。
怖ぇ世の中だ。何でも履歴、履歴だ。
そのオトコがこの3年間、何があったかは全く持って知らねぇ。俺でさえこの仕事にあり付いてまだ、4ヶ月だ。
前の運転手はホテトル嬢とバックれた。もう、捕まって、東京湾に沈んだかも知れん。高尾山に埋められたかも知れん。
そんな、無様な死に方は真っ平御免だ。死ぬのは怖い。
俺にもサラ金に500万の借金がある。何に使ったか、覚えていねぇ・・・もう。何が何だか、わからねぇ。女房には離婚届を突きつけられて逃げられ、2人の子供にも会えねぇ。田舎にも帰れねぇ。ねぇねぇ尽くしの人生だ。子供?もう成人になって居る筈だった。
俺の田舎?東北の方だ。雪深い土地だ。男たちは夏は米を作って、冬は出稼ぎで都市で土木作業員をやっていることの方が多い。それか、地元で運転代行だ。
東京に出てきて一年、ずっと、金融屋に追われ録な仕事ありつけやしない。
クソッタレ!
たかだか、500万じゃねぇかよ!
何で一月後に600万の借金になってるんだよ!利息を払えないと、一括請求って、何だよ!一括請求って!
ちくしょうー。クソッタレ!
・・・頭さぐる!・・・
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