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エミちゃんの爪
美人のエミちゃんはいつも爪を伸ばしている。だいたい2センチ程はいつもキープしているのだ。秀文は単純にオシャレな彼女がネイルアートを楽しむためにそれをしていると思っていた。それに白くて細い指によく似合っている。今日は可愛らしいピンクの花柄だ。
彼女が満面の笑みを浮かべて「お菓子作ったんです」とかわいい包装のそれを秀文だけに渡した。彼女は職場の後輩で、秀文をよく慕ってくれている。
(きっと彼女は俺に気がある)と自信を持つくらいには彼女との仲は親しい。
今日はクッキーだ。秀文は一人ベンチに座りぽりぽりとそれを食す。今日も抜群に美味い、こんな子がお嫁さんになってくれたらいいのに。
今日は日曜日。金、土でたんまりそれらを貯められた。ぼり、ぼりと脂ぎった頭を掻きむしって、血が滲んだらその数センチ隣のカサブタを引っ掻く。これは昨日抉ったところだ。ベリベリと頭皮から引き剥がしてしまう。引き剥がしたそれをティッシュの上に慎重に置く。ずらりと並べられた大小様々なカサブタは、乾燥しているものからまだ身が乾燥していないものまで様々だ。頭はじくじくと痛むが別にそのうち治るだろう。
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