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何故だと食い下がるハットリに、これから仲間になるかもしれないメンバーの武器を勝手に触るなどもっての外であることと、先ほどの逃げ足の速さから察するにニンジャとは動きの素早いクラスだと判断したためだと説明する。
「敏捷性よりも火力が欲しいんです。ですから、そういう人材を募集しているパーティーを当たってください。お帰りはあちらです」
攻略は最下層のボス部屋の手前まで進んでいる。
ボスは単眼の巨人、サイクロプスだということが判明しているため、火力がない上にメンバー支援もできないクラスはお呼びでない。
敏捷性重視で重装備が着けられない人は、ボスの大斧の一撃で倒れてしまう恐れがある。まして、慣れていない人など論外だ。
「待ってくれ!俺の実力を実戦形式で見てから判断してもらえないだろうか。大剣を触ったことは心底反省してる。鞘に入っている状態でも異彩を放っている様子につい手で触れてみたくなったんだ。もう二度としません。どうかそんなに冷たく拒絶せずにチャンスをください!」
冷たく拒絶――その言葉で旦那様に拒絶された初夜を思い出し、少し胸がざわついた。
「それに俺は火力もある。巨大手裏剣も出せるし火遁の術だって使える!」
シュリケンにカトン、もうわからない言葉だらけで実際に目で見て確認するしかなさそうだ。
「わかったわ、では今からダンジョンでハットリさんの実力を見せてもらいます。それでいいかしら?」
「やった!」
「あらあ、楽しそうね。わたしもご一緒していいかしら」
ビアンカさんが手を叩いて喜び、三人で早速ダンジョンに行くこととなった。
ハットリのせいで夕食の時間まであと二時間ほどしかない。急がねば。
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