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◇◇◇
「似合っているわよ!ユリス!」
朝日を浴びてキラキラと光る金髪を揺らしながら、微笑む若々しい美女。
老いを知らない瑞々しい肌に大きな目、ニコリと笑う顔は太陽のようだと言われ、社交界で一目置かれる存在。
俺の母親だ。
過去の写真を見ても全く変わっているところもなく、いつまでも同じ姿をしている母親は、結婚当初から、婚約時代から、父親とはラブラブである。
金髪の母と対になる銀の髪を持つ父親は『太陽と月』の夫婦と呼ばれているらしい。
「ありがとうございます。母上。慣れない制服なので少し動きづらいですが、背筋が伸びているようです。」
そう、俺は今、制服を来ている。シャルレ王国の王侯貴族が通う寄宿学校は王国の色、藍を基準とした生地で高貴なことを表す金が所々に入っている。
身長はあるが、筋肉がない俺は兄たちのように似合うかどうか不安だったが、さすが公爵家。
専属のデザイナーがやってきて一番似合う制服にしてもらった。兄のときでは威圧感すら感じさせた男らしく肩幅の広い制服は俺スタイルにスラリとなったのだ。
しかも、動きやすい。有能。
因みに値段は聞いていない。前世庶民なもので、聞くと着れない気がする。
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