12.愚痴の後

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啓が手を差し出す。 「これからもよろしく。」 「こちらこそどうぞよろしく。」 しっかりと握手を交わし、照れ笑いをする。 「行くか。イチャイチャ試さないと。」 「うん。イチャイチャできるといいなぁ。」 「なー。俺、我慢とか無理かも。」 「我慢はしちゃだめらしいよ。」 「生理的に無理って言ってる人相手でも?」 「それは我慢しないとだね。」 「あーーーどうか俺を本能で受け入れてくれ!郁!」 思わず吹き出すと、啓も笑う。 「本能で受け入れるってエロいな。」 「何回も言わないで!エロいから!」  もうこれは、イチャイチャが始まっているなと自覚しながら、啓の腕に自分の腕を絡ませた。啓が私を見下ろし、嬉しそうに笑う。スッと私の耳元に口を寄せて 「今までいっぱいごめん。好きだよ。」 と囁いた。  私はにやけて、肩をすくめる。  素直に言わなきゃ。もう今すぐ、キスしたくなったよって。 <了>
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