141人が本棚に入れています
本棚に追加
「啓。」
「うん?」
「今までごめん。それから、今まで私、色々すごく頑張って、我慢もしてた。」
「うん。」
「もう我慢しない。」
「うん。誓ってたもんな。」
「聞いてたの?」
「うん。ベンチの背中合わせの席に座ってた。」
「!!!!」
「ストーキングしたって言っただろ。」
「全然気が付かなかった。啓、才能あるよ。」
「ここで褒める感性はさすがだな。」
「うんざり?」
「好きなところの1つだよ。」
啓がムスッと言い、私は「どうも」と顔を赤らめた。
「キスさせろ。」
「ごめん、それはちょっと。」
「なーんでだよー。泣きながら俺とより戻したいって言ってたじゃないか。」
「そんなこと言ってないよ。」
「『啓は修復しようとしてくれたのに、意地張って受け入れなかったのに?』」
啓が私のセリフを再現し、私は赤面してしまう。
「本当に聞いてたんだね。」
「うん。何度出ていこうとしたことか。」
「出てきてくれれば良かったのに。鉄さんに紹介できた。」
「その鉄さんのお母さんの話が始まって、機を逸した。」
「確かに。あそこで出てきたら空気読めない人だ。」
「だろ?」
「うん。」
最初のコメントを投稿しよう!