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「いや、そうだよな。郁は悪くない。」
絞り出すように言う啓が可哀そうで仕方ないけれど、我慢しないと誓ったばかりなので、私の気持ちは揺るがない。
「ごめんね。大丈夫と思えるまで、キスはなしでお願いします。」
「うん。・・・キスだけ?それとも、イチャイチャ全般?」
「たぶんキスだけ。たぶん。」
「たぶんっ!?全般になる可能性もある??」
「ある・・・かも。ちょっと今日、試してみよう。」
「おう!絶対、気持ち悪くならないようにするから!頑張る!」
「うん。なんかごめん。ありがとう。」
なんとも気まずい気持ちになりつつも、しばらく見つめ合う。こんなに真っすぐに見つめ合うのは久しぶりな気がして、
「啓と目が合うの嬉しい。」
と呟くと
「俺も。」
と微笑まれた。
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