NH(ニューハーフ)アイドル・田所権左衛門

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俺は、『ボブおじさんの宿敵』を首にかけたまま シャワーを浴びた。 心も?身体も綺麗にしてバスタオルを 腰に巻き付けただけで部屋に行く。 「お兄ちゃんだってそんな格好で出てきたじゃん!」 と、蓮香がご立腹。そう言われればそうだ、 どうせ合体するのだからと思っていた。 これじゃ蓮香に怒れないなと思いながら 「蓮香、合体しようか?」 「うん、お願い」 蓮香をベッドにねかせる。綺麗な裸体が 目に眩しい。 蓮香のファスナーをおろす、たちまちただのスーツになる蓮香。 俺は、足を通し手を通し、そして『蓮香』と 呼びながらファスナーを閉めた。 合体蓮香の登場! 「蓮香、お兄ちゃんの身体がもう少し慣れるまで ちょっとの間我慢していてくれな」 「うん、わかってる。男の人の身体のことも わかって来たから大丈夫よ」 「お前に、寂しい思いはさせないからな」 「うん、お願いねお兄ちゃん!」 ベッドに入り蓮香に話しかける。 「なあ、蓮香 お兄ちゃんが仕事に行ってる間 蓮香は何してるんだ?」 「う〜ん、テレビ見たり〜、料理の研究したり〜、 ネット見たり〜、寝たり〜、ダンスの練習したり でもね、一人だとやっぱりつまんない。 ねえ、お兄ちゃん!僕も働いてみたいな! お兄ちゃんの会社に行きたい! 恵子ちゃんと同じ職場で働いてみたい!」 「おい、おい!蓮香!それは無理だよ 恵子ちゃんの職場には突っつきシスターズもいるし 結構苦労してるみたいだぞ恵子ちゃんも」 「でもね、ひとりだと寂しいんだよ」 初めて人間界に出て来た蓮香にとっては 友達と呼べる人は、恵子ちゃんしかいないんだよな 他に誰もいない、あとは俺とみゆかだけ、 そのみゆかも今はいない。 かと言って、他の会社になんて行かせられない 俺の目の届くところと言うとトヨハツ? 恵子ちゃんに相談してみるか。 「蓮香?お兄ちゃんの会社に来たいのか?」 「...............」 「蓮香?...寝ちまったのか?」 明日にでも恵子ちゃんに相談してみるからな 蓮香...おやすみ 朝になり、蓮香のチャージも完了 スーツを脱いで蓮香を独り立ちさせる。 朝ご飯を作り出す蓮香。 俺は、台所にいる蓮香を後ろからそっと 抱きしめる。 「蓮香お前に寂しい思いはさせないからな、 仕事のこと、お兄ちゃんが考えてあげるから もう少し待っていてくれ」 「ほんと!お兄ちゃん!!ありがとう」 蓮香は俺の方を振り向き抱きついて来た。 「お兄ちゃんに任せておけ!」 蓮香手作りの弁当を持って仕事に行く俺。 蓮香にはもっともっと社会勉強をさせなければ いけない、人間社会の勉強を.........。 昼休み、恵子ちゃんを呼び出し 近くの喫茶店へ。 「どうしたんですか?急に......」 「実はね、蓮香のことなんだ、 今まで勤めていた会社辞めてしまったんだ。 それで、蓮香が困った事を言い出してさ」 「困ったこと?何を言っているんですか? 蓮香ちゃんは?」
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